戸建て住宅の庭を駐車場に変更したり、建物を解体してから更地にして、駐車場として生まれ変わらせようと考えたりしている人も多いことでしょう。

外構工事で駐車場を舗装するときには、コンクリートで仕上げる方法とアスファルトを使う方法がありますが、2つの材料にはどのような違いがあるのでしょうか。

この記事では、外構工事でコンクリートとアスファルトを使うときの金額の違いや内容、注意点などを紹介していきます。

アスファルトとコンクリートは何が異なるのか

外構工事で使用するアスファルトには、天然アスファルトと石油アスファルトの2種類があります。国内で使用されるのは、基本的には原油を蒸留した石油アスファルトになります。

外構工事で駐車場を舗装するときに使うアスファルトは、石油アスファルトに砕石や砂などを混ぜたものです。アスファルトには、水はけがよく、施工費用が安いという特徴があります。

また、表面が擦れにくいので、車が走るときに表面が減りにくいこともメリットの1つです。

対照的にコンクリートは、駐車場の基礎部分に流し入れて、平らに舗装するとき使用します。白に近い灰色なので、どのような背景ともマッチします。

また非常に丈夫なので長く使用できる点が、コンクリートのメリットです。耐久性が高いため半永久的に使用できるという特徴もあります。施工費用が安いのであれば、戸建て住宅の駐車場にもアスファルトを採用できないかと思う人もいるかもしれません。

しかし、戸建て住宅の駐車場をアスファルトで仕上げることはほとんどありません。

戸建て住宅の駐車場はアスファルトで仕上げない方が良い

外構工事で使用するアスファルトには、多くの強みがありますが、その強みは大きな道路や、ショッピングモールの駐車場など、広いスペースでこそ活かされるものであり、戸建て住宅ではアスファルトの強みを完全に活かすことができません。

アスファルトの強みは以下の通りです。

施工作業の時間が短くて済む

コンクリートに比べるとアスファルトは乾きが早いので、工期を短く抑えられます。空気に触れて冷えるとすぐに固まるので、施工してから数時間経てば、車を停めることが可能になります。

駐車場の施工作業中は車を近所の有料駐車場に停めておくことになるため、工事の期間が短ければ駐車料金を安く抑えられます。

車が走りやすい

アスファルトには目地がないので、車が走りやすいという利点があります。特に雨が降った日でも滑りにくいので、安心して運転できます。

水はけが良い

アスファルトは排水性に優れており、雨が降った日でも水はけが良いのが強みです。雨天のときなど地面が滑りやすい中でも、安心して運転できます。

水はけがよく、水が溜まりにくいので、広い駐車場に採用されることが多いです。しかし、こうした強みは、広いスペースを持つ駐車場や道路でのみ有効です。そのため、戸建て住宅の外構工事で、アスファルトを使用する人はほとんどいません。

アスファルトには弱い面もある

デザイン性に乏しい

駐車場にコンクリートを使用すれば、あとから色や柄を変えられますが、アスファルトで舗装したときには、デザインを変えられません。道路と同じように、見た目は黒くなるため、美しい外観を保つことは難しいでしょう。

アスファルトを戸建て住宅の外構工事で使用しないのは、デザインを変更できないという点が大きな理由としてあります。

高温にしないと施工できない

外構工事でアスファルトを使うときには、150度以上の高温で運ばれてきます。冷えてしまうと使えなくなってしまうためです。

しかし戸建て住宅でアスファルトを流し入れるときには、駐車場のスペースが狭いため、アスファルトを乗せたトラックが中に入れず、1回で運ばれてくるアスファルトの量も少なくなります。

冷めてしまったときには、もう1回温度を高めれば使えるようになりますが、スペースが限られた戸建て住宅で、再び温め直すのは難しいでしょう。

こうした理由で戸建て住宅の外構工事で、アスファルトを利用するのは難易度が高いのです。

外構工事ではコンクリートを使用した方が良い

戸建て住宅の駐車場で頻繁に使用されるのは、コンクリートになります。駐車場が砂利だけでは頼りないと感じている人は、外構工事でコンクリートを使った舗装を考えてみると良いでしょう。

以下では外構工事でコンクリートを使用する強みと弱点について解説します。

駐車場にコンクリートを使う強み

コンクリートは丈夫なので、劣化しにくいという強みがあります。またコンクリートは表面が灰色なので、明るい地面を演出でき、どのような背景の色ともマッチします。

コンクリートはアスファルトと比較すると、熱い夏でも熱がこもりにくいので、庭全体が涼しくなります。

駐車場にコンクリートを使ったときの弱点

コンクリートは素材が伸び縮みするので、継ぎ目を作らなければならないことがデメリットです。また施工してから完全に乾くまでに1週間ほどの時間が必要です。

さらに、アスファルトに比べると雨の日に滑りやすいという弱点もあります。

外構工事でアスファルトとコンクリートを使用したときの費用について

外構工事で駐車場をコンクリートで仕上げるときには、１平米あたり約8千円から1万2千円程度の費用が必要です。一方で、駐車場をアスファルトで仕上げるときには、1平米あたり約4千円から6千円程度の費用で抑えられます。

もちろん相場の金額なので、業者や地域によって費用は異なります。駐車場をコンクリートで舗装するときには、メッシュや配筋、目地などを入れなければならないので、アスファルトで舗装するときよりも時間がかかり、単価も高くなりがちです。

値段だけを比較すると、コンクリートのほうが高くなりますが、戸建て住宅の駐車場くらいのスペースであれば、アスファルトよりも金額が高いとはいえ、大した差はないでしょう。

さらに、耐久性も大切なポイントになります。アスファルトは劣化や磨耗によってすり減るので、頻繁にメンテナンスをしなければなりません。

メンテナンスの費用が高くなるため、長いスパンで見るとコンクリートで舗装した方が安く仕上がります。